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ピアサポート養成研修会@長崎県 を開催しました。

令和2年11月14日 長崎県庁3階会議室にて、ピアサポート養成研修会を開催いたしました。ピアサポーター15名、医療従事者17名、長崎県庁から4名の方々が参加されました。また、今回は新型コロナウイルス感染防止のため、本来2日間の集合研修を「事前の講義動画の視聴」+「集合研修1日」に形式を変更し、実施いたしました。

ここでは研修会の事前の準備から、11月14日の集合研修の様子をご紹介します。

~事前視聴~

11月3日から事前の講義動画の視聴が始まりました。約1週間半の間に、以下の6講義を視聴していただきました。タイトなスケジュールにもかかわらず、参加者の皆さんにはお仕事や家事の合間を縫ってご視聴いただきました。本当にありがとうございました。

視聴動画 動画時間 主な内容
ピアサポートとは 15分 ピアサポートとは、ピアサポートの意義、ピアサポーターと医療者の違い
ピアサポーターの役割と活動指針 44分 ピアサポートを行うこと、守るべきこと、振り返りをする
相手を大切にすること、自分を大切にすること

ピアサポーターが知っておくと良い情報
22分 バウンダリーとは、バウンダリーを守るうえで必要なこと、自分自身が傷ついてしまったときには
よりよいコミュニケーションのために 28分 基本的なコミュニケーションスキル
行政や医療機関が支援できること 33分 ピアサポート活動のために医療者ができること、自治体単位で行うこと
がん診療の基礎知識と情報提供の注意点 45分 がん診療の基礎知識(がんと遺伝子、がん細胞の特徴、治療法)

がんに関する情報提供の注意点

これらの動画は資料もお配りし、それを見ながら学習していただきました。事前視聴の後には「確認テスト」にも取り組んでいただきました。確認テストは11月14日の集合研修で答え合わせを行います。

~集合研修~

9時から受付開始です。遠方から来てくださった参加者さんもいらっしゃいました。

今回の研修会は、長崎県庁3階の会議室にて開催されました。

今回の集合研修はこのようなタイムテーブルで実施します。
オリエンテーションから研修会がスタートです。日本赤十字社熊本健康管理センターの吉田稔先生から、この研修会の目的や、今後参加者の皆様がどのようピアサポート活動に関わっていくことが期待されるかを説明しました。新型コロナウイルス感染防止の観点から、講師はフェイスシールドをした上で講義を行いました。
メイン会場の隣の部屋では、医療従事者の方がWEBの映像を通してオリエンテーションの様子を視聴しました。本来はピアサポーター・医療従事者の全員がメイン会場にてオリエンテーションを受講しますが、メイン会場が密にならないよう、こういった工夫をしていただきました。
続いては、広島大学病院の倉田明子先生による「事前講義の振り返り、アイスブレイク」です。隣同士でペアになって、自己紹介、事前テストの感想などを1分で話し合ってもらいました。
そして事前講義の視聴後に解いていただいた確認テストの答え合わせです。特に注意すべきポイントは、講義担当の先生から【スーパー解説】をしていただきました。簡単だった?難しかった?いろいろな声が聞かれました。
「事前講義の振り返り、アイスブレイク」の講義の後、ピアサポーターの皆さんは「自分の体験を語る」の講義に参加します。ピアサポーターの皆さんには自分のがんの体験をお一人ずつ3分間、皆さんの前に立って話していただきました。自分の体験を言葉として振り返り、体験を整理しておくことの大切さ、体験の多様性に気付くことを目的としています。

自分の体験を語る順番は、受付の時にくじ引きで決めています。自分の番が来るまでは何を話そうかドキドキしてしまいますが、まずは「“一生懸命”話を聴くこと」が大切です。

3分間という決められた時間の中でも、上手にお話されるピアサポーターさんがたくさんいらっしゃいました。

ピアサポーターさんが「自分の体験を語る」に参加している間、医療従事者の皆さんは別室にてグループワークを行いました。長崎県でピアサポート活動を展開させていくための課題や解決策について意見交換が行われました。この内容は、午後の「行政や医療機関の役割について学ぼう・長崎県でピアサポートを実践するために」の講義で報告を行います。また、医療従事者の皆さんにはこちらのグループワークを実施しながら、「自分の体験を語る」の様子も見学していただきました。
午後の最初の講義は「ロールプレイ」の講義です。この講義では実際に相談対応を経験します。まずロールプレイでどのようなことを行うか、講義形式で確認します。
実際にロールプレイを始める前に、ファシリテーターの先生方に模擬演技をしていただきました。「2年前に胃がんの手術をしたのですが、先週の定期検査の結果を今日聞きに来たら、再発の可能性があると言われたんです」という内容で相談に来たという設定で、ロールプレイの例をお見せしました。
3~4人で1組になってロールプレイ開始です。今回はグループごとに部屋を分けて実施しました。ピアサポーターさんにはそれぞれにピアサポーター役、利用者役、観察者役のいずれかになっていただき、利用者役の方には与えられたシナリオに沿って、相談していただきます。行政・医療従事者の方にもロールプレイを見学していただきました。
再びメイン会場に全員集まり「ロールプレイのまとめ」を行いました。各グループのファシリテーターの先生からグループの様子を報告していただき、全体で共有いたしました。
最後は「行政や医療機関の役割について学ぼう・長崎県でピアサポートを実践するために」の講義です。日本赤十字社熊本健康管理センター 吉田稔先生進行の元、行政・医療従事者向けに行った午前中の「ピアサポートを実装するためには」のグループワークでの検討結果を全体に共有しました。グループの代表の方がグループの検討結果を報告しました。またこの講義では長崎県医療政策課の方から、今後の展望などをお話していただきました。
最後に2日間のまとめと質疑応答を行い、閉会のあいさつ、参加者の皆さんで集合写真を撮って閉会いたしました。

事前講義動画の視聴、1日間の集合研修と短いスケジュールの中での研修会開催となり、参加者の皆様にはご負担をおかけいたしました。また、新型コロナウイルス感染対策を十分にとった上での研修会となり、ご準備と当日の運営には長崎県医療政策課の皆様に多大な協力を賜りました。参加者の皆様、長崎県医療政策課の皆様、本当にありがとうございました。

ピアサポーター養成テキスト、事前の講義視聴で利用したスライドはこちら

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